“よいジュエリー”への答えを、技術力と美意識で可視化する。新たなテーマで挑む「第37回 国際宝飾展(IJT)2026」
株式会社桑山が、2026年1月の「国際宝飾展(IJT)2026」で掲げたテーマは「MAKING SENSE ― 感覚と感性」。ジュエリーメーカーとして目指す“よいジュエリー”の定義を、個人の好みや偶然といった抽象的な領域に留めず、ものづくりの現場やお客様と分かち合える「美の基準」へと昇華させる挑戦であり、展示会という舞台を通じ、次なるものづくりへと歩み出す重要な転換点となりました。
1. IJTという大きな舞台で、桑山が表明する意志
2. 「MAKING SENSE ― 感覚と感性」に込めた想い
3. 直感的に違いがわかるブースの体験設計
4. チェーンからキャストまで、桑山らしさを“全方位”で見せる
5. 来場者の反応から見えた「手応え」と「さらなる改善点」
6. 学びを活かし、“桑山基準”に磨きをかける
IJTという大きな舞台で、桑山が表明する意志
国際宝飾展(IJT)は、年に一度、東京で開催される宝飾業界向けの商談展であり、日本最大規模の展示会として知られています。世界中からジュエリーメーカーなどの企業が出展し、期間中は多くの来場者で賑わいます。第37回となった今年のIJTは、4日間合計で19,826名が来場しました。
桑山は第1回のIJTから第37回まで連続出展してきました。毎年IJTに挑み続けることは、単なる慣例ではなく、ものづくりの進化を業界とともに積み重ねていく意思表示でもあります。桑山にとってIJTは、新作を並べるだけの場ではありません。既存のお取引先様との対話を深めると同時に、国内外のトップブランド各社様と新しい接点が生まれる場所。そして何より「よいジュエリーとは何か」という原点に立ち返り、次のものづくりへ視点を更新する場でもあります。
「MAKING SENSE ― 感覚と感性」に込めた想い

桑山は、技術力(物性)と美意識(感性)の両輪で、ジュエリーの価値を磨いてきました。厳密な精度、安定した品質、量産の再現性といった“物性”は信頼の礎であり、同時にブランドが大切にする世界観や佇まいに踏み込むには“感性”の解像度が欠かせません。桑山が構築を目指す新たな価値基準を、私たちは“桑山基準”と呼んでいます。それは一つの正解を押しつける尺度ではなく、技術に裏打ちされた複数の選択肢を、目的に応じて選び取れる状態を目指す取り組みです。
今回の展示では、物性と感性それぞれの要素の一部を取り上げて体系化し、その融合から生まれるデザインや製品の多様性を体感いただくことを意図しました。 「感性だけ」「技術だけ」ではなく、両者が噛み合うことで立ち上がる“桑山だから形にできるよいジュエリー”を、実物と体験で共有する。それが「MAKING SENSE」というテーマに込められた想いです。
直感的に違いがわかるブースの体験設計

桑山ブースでは、これまでもインスタレーションを用いながら、考え方とものづくりの関係を提示してきました。今年はその表現を一歩進め、研磨の度合いや造形のランダム度合いといった“差”を複数並べることで、立ち上がる表情の違いに気づいていただける展示としました。来場者が直感的に「物性と感性の関係性」を掴める展示設計を行いました。
言葉で説明する前に、目で見て、比較することで桑山のものづくりの幅広さと、その差はどこから生まれるのかをつかめる体験づくりにこだわりました。
チェーンからキャストまで、桑山らしさを“全方位”で見せる
IJTは、桑山の企業としての意志を提示する場であると同時に、これまで培ってきた強みをあらためて厚くお伝えする場でもあります。会場では、マシンチェーンやデザインチェーンをはじめとする圧倒的なチェーンバリエーションに加え、キャスト製品やカットリングなど、桑山のものづくりの成果を幅広いカテゴリーで取り揃えました。
なかでもチェーンは、桑山のアイデンティティを象徴する領域です。その豊富さ自体が、技術基盤、生産の安定性、品質の均質性を物語っています。さらに今回は、各カテゴリーにおいて「いま桑山が強くご提案したい見どころ」をより明確にし、特許申請中の技術など、新たな打ち手も織り込みました。その結果、本展示は単発の新作紹介に留まらず、既存のお取引先様にとっては桑山の強みを“再発見”していただき、需要を掘り起こす契機となることを願い、また、これまでお取引のなかった方や、お取引の機会が限られていたお客様にとっては、桑山のスケール感や対応力を具体的にご理解いただく機会につながっています。
来場者の反応から見えた「手応え」と「さらなる改善点」
来場者の反応で印象的だったのは、他社が現物販売や商品陳列に注力するなか、桑山が毎回テーマを掲げて“考え方”まで提示している点が、最大の差別化として評価されたことです。単に製品を見せるのではなく、その背景にある視点や姿勢まで含めて伝えていることで、桑山という企業の輪郭をより鮮明に描くことができたと思います。また、高付加価値帯に注力した展示構成も肯定的に受け止められました。一点一点の魅力を丁寧に説明でき、品質や仕上がりの背景まで含めた対話が生まれたことも、納得感につながったと好評でした。

産学連携展示については、恒例企画としての認知が進んでおり、学生たちの高い技術や新しい技法が来場者の刺激になっているという声もいただけました。
こうした反応や示唆は、今回の展示を“成果”として終わらせるのではなく、次の開発と提案へつなげていくための確かな手がかりでもあります。IJT2026で交わされた対話の積み重ねが、桑山のものづくりと“桑山基準”を次の段階へ押し進めていきます。
学びを活かし、“桑山基準”に磨きをかける

IJT2026を通じて、桑山の展示は「製品を並べる場」に留まらず、ものづくりの背景にある考え方や判断軸を通じて、取引先の皆様と価値観を共有する場としての輪郭をいっそう明確にしました。ジュエリーの「良さ」を偶然や感覚だけに委ねない。技術と美意識の両輪で、各ブランドが描く理想を具現化するための選択肢を、確かな品質とともに提示していく。その姿勢こそが、桑山の目指すところです。
本展示で交わされた数多くの対話や反応は、桑山にとって“次の一歩”を考えるための大切なヒントとなりました。私たちは、お客様と向き合いながら、その時々の「よいジュエリー」を共に探し続ける存在でありたいと考えています。桑山はこれからも、共に考え、共に創る姿勢を大切に、ジュエリーの未来を切り拓いてまいります。